少年の頃から小椋冬美が好きで、全集が出たら（出るとは思わないけど）絶対に買うんだと心に誓うほどではあるのでして、というのももう新刊は出ないだろうと思ってたからなのでした。
そしたら新刊が出た。 しかもこれ、連載ものだったみたいで。 連載してたんだ・・・っていうね。 驚いちゃって。
彼は、私の人生で、たったひとりの男──。花村ひと子、35歳。私は今、誰にも言えない人を想い続けている。でも、それでいい。だって彼さえいれば、生きていける。
小椋冬美が彩る“究極の愛”のカタチ──。
お歳を考えればなんともまぁな設定で、主人公が35歳、何をか言わんやではありましたが、「彼は、私の人生で、たったひとりの男」が一般人じゃなくてうんにゃらかんにゃらだと知った時点で読むモチベーションがぐっちゃり落ち込んだのでした。 そりゃないだろう、って・・・
背景をあんまり描かないのはお家芸で、今回もおなじみの絵面で安心したんですけど、人物の描き込みがなんというか雑というのかなんというのか、正直言えばがっかりするくらいで、先に申し上げました全集出たら買うっていう誓いも、これが含まれるのであれば揺らいでしまうくらいなのであります。
少年の頃から小椋冬美が好きで、全集が出なくたってブックオフとかで安く買い集められるんであればそうしようと画策していたものでしたが、もう私もいい大人であり、妻子を持つ身であります。 もういいかな、と思い始めたのではござんした。