興味を持ったときには市場に出ておらず、ラストの軍隊の行進のシーンの一コマだけ見て衝撃を受けたままオトナになったものです。 その後、古本屋でサンライズ版だったか(忘れた)を見かけるも、全巻揃い3,000円とかとても手が出せず(当時は松本零士ブームだったので、そっちだったらほいほい買ってたものですけどね)、いつの日にか買って読んでやろうと虎視眈々虎穴に入らずんば虎児を得ずだったりなかったりでした。
「今日の日本」を予見した 衝撃のディストピア・ストーリー、 山上たつひこの傑作『光る風』の完全版! ! 本書は、
- 少年マガジン連載時に、評判の高く、物語の一部になっているものあった「扉絵」をすべて収録。
- 原本(少年マガジン)にあたったところ、驚くべきことに「ページ抜け」もあったため、これを正しました。
- コマがトリミングされていたものも、元通りにしました。
- 以上のものと、出版の度に改竄(改悪)されていた「ネーム」(台詞)を一旦最初の状態に戻し、そこへ新たに著者によるチェックをしてもらっております。
これが本当の『光る風』です! この機会に是非お読み下さい!
そしたら10年位前に完全版が出て、うわー買わなくちゃと思いつつスルーしてしまい、一昨年だったかに完全版の再販の運びとなり、うわー買わなくちゃなんて思いもせずすなわち知らなかったていたらくなんですよ、あたしって男は。
去年末、誕生日を迎えるにあたって「すいません正月休みに読みたいので誕生日プレゼントということで買ってもよろしいでしょうか稟申し上げます」的なお願いをしまして、やっとこさ、やっとこさ買ったのであります。 んで読んだのであります。
ただ、これ、正月休みにこたつでぬくぬくしながら赤ワインななんか呑んじゃいながら読むものではなかった。 最初の衝撃をすっかり忘れていたのでありました。
あらすじはネタバレになるので端折りますが、軍国主義・全体主義の流れと、奇形児出産につながる奇病とが主だったテーマであります。 それが1970年の少年雑誌の連載だっていうから時代も時代。 ただ、時流である左側に偏りすぎることもなく、現在に通じる末恐ろしさを余すとこなく描ききっています。
なに末恐ろしいかって、最後に・・・あ、ネタバレになっちゃいますけど・・・首都直下の巨大地震が起きるんです。 地震・・・