Indian Puddin’ & Pipeの前身バンドがWest Coast Natural Gasで、前者がサンフランシスコにおいてサイケバンドであったのに対し、後者はシアトルでサイケジャズロックバンドになっているという、そういうバンド。
West Coast Natural Gasの唯一のアルバムは編集盤で、1966年から68年までに録音されたものなのだそう。 特に最後の4曲は超初期(66年)に録音されたカバーもののデモ音源だそうで、基本的にめまいがするくらいのサイケっぷり。 ヘビーなのありマジカルなのありメロウなのありで、すでにこの時点で一筋縄ではいかないところでありまして、サイケ好きにかなりたまらないものです(しかしプレミアついて大変なことになってるけどアマゾン)。
この録音をもってバンドは解体され、次なるIndian Puddin’ & Pipeとなるのですが、このIndian Puddin’ & Pipeこそ孤島の存在とも言えるところで、カテゴリーの隙間に挟まっちゃってるもんだからどの場面で紹介するべきなのか絶対に悩むこと請け合いです。
アルバムもこれ、編集盤のようで、ついぞこのバンドたちは公式盤は出さなかったんですねぇ。 先に言っちゃいますと、収録曲でありコンピ収録で俄然注目されたHashishは、もしかしたらWest Coast Natural Gas時代の録音じゃないか、っていうか同じテイクなんじゃないかって気がします。 ただ、他の(重複していない、と申し上げておきたい)曲がいよいよIndian Puddin’ & Pipeで、2013年に死去されたらしいKris Larsonのドラムは過剰に手数が多く、コーラスとホーンがむやみに充実して、突如ジャズ的なアプローチに切り替わったりとやりたい放題でカテゴライズ不能に陥っています。 しかしながら「これはジャズ・ロックである」とは到底言えない紫煙まみれの雰囲気に押し流されて、Indian Puddin’ & PipeはIndian Puddin’ & Pipeでしかないという結論に達するのではあります。
Spiritという曲が好き。