1979年三部作のフィナーレを飾った作品。ブラジルでの録音直後、バイロン・ミラー(b)、リッキー・ローソン(ds)などレギュラー・メンバーが参加し、ディスコ的なジャズ・ファンクに立ち返った。「エヴリ・リトル・ステップ」「アイ・ウォント・ユー・フォー・マイセルフ」など、キャッチーな女性ヴォーカルをフィーチャーし、来るべき80年代サーファー・ディスコ的なフレイヴァーを予感させる。
つまりはジャズ・ファンク以外の畑を耕していたということで、George Dukeというひとは振り幅が広い。 そもそもはジャズ畑の人だったのに、いつのまにかザッパ学校にいたり、悪く言えば脈絡がないのですけど、後年プロデュース業に携わるにあたり相当に役立った経緯なのではないかと思われます。
ザッパ学校を経てフュージョンと申しますかクロスオーバージャズに傾き、なんとブラジルに傾き、なんとR&Bやファンクを経てディスコに身を沈めるのであります。 もう節操がない。 なのにどの作品も聴きやすく、その才能には目を見張るものがあります。 実にそつがない。
私が好きなのは、あれこれ首を突っ込んだ挙げ句にできた隠れた名盤でありますところのこれ。 Master of the Game (1979年)。 ディスコに寄り添ったジャズ・ファンクであり、ブラック・コンテンポラリーといっても差し支えないのではないでしょうか。
聴いたこと、あるでしょう?