Martha Velez (Martha Veléz) は本名を Martha Carmen Josephine Hernandéz Rosario de Veléz といい、ニューヨーク生まれの歌手(であり、後に女優)。 1969年にリリースされた「悪魔と天使」というタイトルの、ジャケットが2種類あってオリジナル(かと思われる)のUS版のインパクトが強いデビュー作は、なにしろジャケット買いしてしまうほどの威力を誇ります。 あまりにも早すぎた中島○嘉の様相。 裏ジャケは悪魔の彫像なんで、おそらくは彼女は天使というところだろうかいや知りません。
内容はゴリゴリのブルース・ロックで、ジャニスもびっくりのド迫力ハイパー絶叫ボーカル。 バックを務める著名なミュージシャン(特に何曲かではギタリスト)を軽く凌ぐゴッド姉ちゃんっぷりであります。
とりあえず聴いてみればわかるけど、演奏も歌唱もとにかく圧倒されてしまう。
で、この人のすごいんだかすごくないんだかわかんないところは、このあとソウルというかポップというかに寄った2枚のアルバムをリリースしたあと、Bob Marley と Lee Perry を率いてレゲエといいますかラバーズロックのアルバム(1976年)を作ってしまうところでありますが、
私が好きなのはこの5thであり、アルバムリリースとしては最後になってしまった1977年リリースのこれ。 AORというのかAC(アダルト・コンテンポラリー)というのか、Discogsでみるとジャンルが「Rock, Funk / Soul, Pop」でスタイルが「Pop Rock, Disco」という、なんともはや時代を感じさせる作風に振り切ってしまうのであります。 たぶん売れなかったであろう(よく知りません)けど、もはや絶叫スタイルが影を全くに潜め、メロウでアーバンでソウルな1枚となっています。
惜しむらくはジャケットがやっつけ仕事感たっぷりなところですが、内容は一番いいと思うんだけどなぁ。