私の暮らしかた(大貫妙子)

大貫妙子――凛とした楽曲と透きとおった声で多くのファンをもつ、シンガー&ソング・ライター。その飾らない生き方にも共感が寄せられている。葉山での猫との暮らし。年下のパリの友だち。コスタリカで出会ったナマケモノ。歌い手としてさまざまな土地を訪れ、歌わない某日は田植えに出かける。母なる自然と自らの内なる声に耳を澄ます。愛おしい日々をまっすぐ綴る、エッセイ集。

田植えをしている、というのはどっかで読んだことがある。 しかしながらそれ以外はそもそも、アーティストのアーティスト以外の活動にはそれほど興味がなく、時として例えばとある人が唱える「原発反対」が逆にそのアーティストに対する印象を著しく悪くしてしまうことがあり、いや、原発反対という活動そのものは印象をどうのこうのというのではないんだけど、とにもかくにもアーティスト以外の活動が本業の印象を悪くしてしまうことのないよう、興味を持たないでいよう、というのが私のスタンスではあります。

というのが私のスタンスなんで、一度それを切り崩して例えばこんな本なんか読んじゃうと、自分でしたことなのに困惑してしまう。

一言で表せば環境派なんだろう。 (私の場合)農家じゃないので田植えこそせずとも、結構近いことを私もしていて、こと震災以降はものの見方が変わった(例えば「あまちゃん」が放送されるとなるとゼルダをやめて見入ってしまうとか ←違う)ところにも共感するところが大きい。 (私の場合)両親はおかげさまで健在だけど、愛猫や愛犬との別れも経験し、共感するところが、っていうか共感しまくりやがりまくるんだ。

なのに意味もなくアンビバレンツを抱え、んーーーーーー!ってなっていた私なんだけど、ほんとにこんなアンビバレンツ、意味がない。 もっとニュートラルであろう。 なんて考え方に変わっただけでもこの本を読んだかいがあったというものです。