新選組随一の美太夫とうたわれながら、非情の人斬りとして生きねばならなかった若者の人間像に迫る表題作など、幕末維新史を揺るがせた暗殺事件の真相を推理し歴史の謎に挑む傑作4篇
これまで三好徹という作家を知らずに、ひょんとしたことで手にとったこの本を皮切りにあれこれを漁ってはいるのだけれど、どうにも新書屋にも古書屋にも在庫がなくやきもきしているのはありますが、逆を返せばそれだけこれまで読んだものがどれも良かったということになるのであり。
Wikipediaによると、
「子母沢寛『新撰組始末記』を読んで坂本龍馬暗殺に興味を持ち、これを推理小説仕立てにした「龍馬暗殺異聞」を直木賞受賞第一作として発表」
とあり、そもそもは推理作家なのだそうだけど、そもそもは推理小説に仕立てた歴史物が出発点だったのだそうで。
なお、この本に収録されている4篇とはすなわち
- 私説・沖田総司
- 人斬り彦斎
- 暗殺始末
- 参議暗殺
であり、暗殺しまくりである。 どれも読み応えがあり、なんといってもダイナミクスというのでしょうか、高揚感があるんですよ読んでて。 泣けちゃうんですよ。
なにしろ三好徹の時代物は制覇しようと思ってるんです。