実際には
The History of U.K. Underground Folk Rock 1968 – 1978
の1と2であります。 あの KissingSpell からリリースされた暗黒オムニバス。 ジャケットも内容ももう陰鬱で、逆に笑ってしまうくらい。
イギリス(とその周辺)の1968年から1978年にかけてリリースされたアングラなフォーク・ロックのオムニバス、ということで、アングラっていうのはいいですけど、フォークでもロックでもなく、フォーク・ロックだ、というのがミソ。 当時、こういうジャンルはアコースティックにキメるもんだろうというところをむりやりにエレキを導入させてしまった(しかも少し後悔している)感ありまくりで、どこかで「エレキ・トラッド」と紹介されているのを見て溜飲を下げもし、エレキとトラッドがこれほどまでに字面的に合わないものなのかよと呆れもし、です。
オムニバスですんで、何が何でもアングラなフォーク・ロックでしかない、というわけにはいきませんし、逸脱しているところがないとも言えないんですけど、それでもそれなりにタイトルに則している内容だと思います。 なにせ Vol.1 の1曲めが Shide and Acorn ですもん。 そうきたか、と肩を落としてしまいます。 もうさ、やられちゃったよおじさんは、と。
アンダーグラウンドだ、ということで、一概にサイケだともアシッドだとも言えないところが音楽ジャンル的側面からみたときに重要で、サイケっぷりはないのに重くて暗くて死んでしまいそうな楽曲もあり、いやかえってこれはアシッドそのものだろうと翻ったり翻なかったり忙しく、なにしろ聴きまくって通底していると感じるのは、あまりの偏りっぷりに笑いが(微笑が)止まらないのであるところです。
アングラなんですよ、なにせ。