はじまりのゼルダ 最初期音源集1980-1982 (ZELDA)

そもそもゼルダといえば、という書き始めを何度したことか。 ゼルダのライブ音源は夢の中でいろいろとあり、聴いてはいたのですけれども、このたび苦節15年、いぬん堂から2枚組でデビュー前のライブ音源がリリースされました。

クレジットを見ると1980年から1982年まで年代順に収められており、サウンドの変遷をたどることもできます。 特にDisc2にもなるとかなりゼルダらしくなり、それなのにデビュー作があぁなのは、本人たちが演奏しているわけでもなく、プロデューサーの意向もあいまってのことなのだろうと悔やまれますし、そうとはいえあれはあれでいいんじゃないかと懐の深いところを見せることができるのも、この明らかにファン向けのリリースである本作があるからこそかと思われます。 完結したなぁ、と。

スタジオ録音盤ともなると本人たちの演奏では心もとないと思うのも仕方のないことかなと思いますし、であればボーカルも差し替えればいいじゃんとか毒づいてみたりもしたりしなかったりですが、反面、ある程度勢いで成立させてしまえるライブ演奏を聴くにつけ、デビューアルバムでの本人たちの演奏によるスタジオテイクを聴いてみたかった。

そもそもにベースがいい(というか個人的にすごく好き)のはさておくも、ギターがですね、すごくいいんですよね。 味わい深いんですよ。 脱退が悔やまれる、と申し上げていいんじゃないかってくらいに。 ライナーにもありますように、野生のゼルダ、縄文音楽をドラムが底上げしており、暗黒ゼルダ期と呼ばれたのもうなづける内容です。

ただこれはファン向け。 ゼルダを未聴のかたは3rdとか4thをお聴きくださることをおすすめいたします。