大老 井伊直弼(羽生 道英)

一生部屋住みとして暮らすか、それとも他家の養子になるか。不遇の日々、学問に傾倒する井伊直弼に突如、転機が訪れた。井伊家世子の死で藩主である兄・直亮の養子になった直弼は、兄の死後、彦根三十五万石を継ぐ。開国に向けて動く直弼は、幕府の期待を担って大老に就任、専制政治を行う。やがて強権的に断行した。「安政の大獄」の反発で尊攘派の怨嗟が…。

この羽生道英という作家さんは伝記物が得意なのかしら。 とそれはさておき、前のエントリーで田沼意次がいい人にされたりわるい人にされたり(極悪人になったり)散々だということを書いたのですけれども、その面で見れば井伊直弼という人もなかなかに散々な言われよう、というか悪い政治家だとされているんですよね。

前に彦根に行ったおりに、地元ではそんなことがないと悪評を払拭したところでありまして、そういったところで考えると吉良上野介なんかもそうらしいですけど、こういった「実は悪い人ではない」的な話を読むのが私は好き。

事実がどうだかはわかりませんけど、この書籍では恨みを買うようなことはすべて長野主膳におしつけることで「なおすけわるくない」ことにしていますけど、存外そういうものかもしれませんしね、話は話としてこれでもいいのかなって思うんですよね。