The Space Lady’s Greatest Hits (The Space Lady)

音源を聴く前にどうしたってアルバムジャケットを見るのですけれど、これはヤバいんじゃないか?って思ったし、十中八九そう思うもんだろうとも思った。

70年代後半のこと、ひとりの女性がサンフランシスコでアコーディオンと歌の路上パフォーマンスを開始した。しかし、ほどなくしてアコーディオンの盗難に遭ったのをきっかけに、楽器をカシオのシンセサイザーへと持ち替えて、頭にかぶった羽のついたヘルメットをトレードマークに宇宙からの平和と調和のメッセージの伝道師としてまた別の世界観を立ち上げた。ここに本作のヒロインであるスペース・レディが誕生した!
正式なリリースもなく、ほとんどクチコミのみでその存在が語り継がれていき、遂に2000年代になりアウトサイダー・ミュージックの名コンピレーション『SONGS IN THE KEY OF Z』への収録で一躍世界的にも注目を浴びることとなった。その後はJohn Maus(PANDA BEAR、ARIEL PINK)、Erol Alkam(DJ)、Kutmah(DJ)などそうそうたるアンダーグラウンドの最先端ミュージシャン達がミステリアスな存在の彼女にラヴコールを送り、さらにその名は知れ渡っていった。そして遂に、彼女の数少ない録音音源をまとめた本作『THE SPACE LADY’S GREATEST HITS』が登場です!

未だに現役だということで、最近のアルバムというものも出ているらしいですけど、未聴であります。 よってこの最初にリリースされた集大成的なアルバムを。

いや、これは宇宙の平和と調和をもたらすわえ。 間違いなくもたらすわ。 あまりにもチープな音色は、こういうスタイルなんだからデメリットにはなりようがないです。 サイケというよりスペースミュージックです、っていうかなんだこれ。 どいだけスペーシーなんだよ・・・。

オリジナルとおぼしきCD1枚版の他に、2枚組のもあります。 2枚めのはボーナストラック集扱いなんですが、そもそもこのアルバム自体がボーナストラック集みたいなもんでアレなんですけど、その2枚めに 20th Century Fox が収録されていて、これのぶっ飛び具合が宇宙レベルなんでぜひ聴いてほしいです。 巷では(オリジナルの方に収録されている) Born To Be Wild がすごいということですけど、それよりすごい。 ふぉっふぉっふぉっ・・・