ジャーマン・ロックの雄である Can のボーカルといえば、初期の Malcolm Mooney そしてその後の Damo Suzuki ときて、その後は残ったメンバーが担っていた、というのがこれまでの私の認識でしたけど、1976年に3ヶ月ほど別のボーカリストを迎えていた時期があったのだそうな。
非公式の年表によると(公式のにはまったく記載がなかったので)、1976.01.09のベルギー公演にてそのボーカリストが初めて Can のコンサートに立ったとのことで、それから間もない同03.04まではボーカルをつとめていたとこのこと。 その次の同18日の公演では、その名がなかったそうで、代わりに Michael Cousins なるクレジットがあることにも注目したいところなれど、それはさておいて(1ヶ月持たなかったそうですけど、LIVE IN HANNOVER, 11 APRIL 1976 っていうブートはその在籍時の最終日らしい)。
その3ヶ月だけボーカルをやっていたのは Thaiga Raj Raja Ratnam とい名前の人で、詳しいことはわからない。 マレーシア人なんじゃないかっていうことで、なんとなーくバンドはアジア人を求めていた風にも見受けられます。
この Live In Lyon は、1976.01.17の模様で、セットリストをみるに前半戦の模様を収録したものだそうです。
なんで「だそうです」なのかといえば、未聴だから。 加入間もないボーカルはどんなもんなんだろう。
私が持っている音源は同3月のライブの模様(ブート)で、セットリストからみるにフルセットなんじゃないかと思いますが、そもそもこの日のセットリストが2種類あり、まさか午前の部と午後の分っていうことはないよなぁとは思いますけど、それに則すると午前の部ということになります。 どちらにしてもこの頃 Can はフランスツアーの真っ只中だったらしく、その間におったらしいですね、 Thaiga Raj Raja Ratnam さん。
どうしてもその在籍時の曲をやるっていうことでダモ様と比べてしまってしょうがないのですが、やっぱり狂気じみた部分では勝てっこなく、歴史から抹消されただけあってインパクトは弱い。 こうやって歴史は作られていくんだねぇ。