今なら簡単にニュー・エイジ・ミュージックと呼ばれてしまいそうなチェレステアの音楽。初期クリムゾンを連想する向きがあるかも。でも,これ程澄んだ壮大な音楽は滅多にあるもんじゃない。1曲1曲が独立していながら見事に交響楽的統一のとれた作品。
どういうことなのか再発掘なのか、Celeste の未発表盤が今年になってリリースされておりまして、それまでは 2010 年にリリースされたコンプリートレコーディングスでとどめを刺すものかと思いきや、という話であります。 そのコンプリ盤は Celeste の前身バンド、後進バンドを含めたものであり、前者のそれがいかにも怪しいジャズ・ロックでありますもんですからその印象が強く、そういえば Celeste としてのアルバムはどういったもんかな、って考え込んでしまうくらい。 っていうか未発表音源やらコンプリート盤だいいますけど、そもそもはバンドの現存中はこの 1st しかリリースがなく、そもそもそれは 1973 年に作曲され 1974 年にレコーディングされ、なぜか 1976 年にリリースされるという、もう時軸がブレまくってわけがわかんないもんです。 その翌年に録音されたとされている 2nd も、未完成なんだそうで(そうなのか?)リリースは 1991 年だっていうからもう、なんというか。
それでもなお、こうやって未発表音源がリリースされ続けるのは、この 1st の出来栄えゆえかと思います。 イタリアンロックの範疇なんでしょうけどしょっぱなからメロトロンという掟破り。 そもそもイタリアンロックだとは思えないくらいのクリムゾンっぷりで、影響がかなり濃いとは思われますけど、そこからも逸脱するところが評価の対象になるんでしょう。