ビートルズ「フール・オン・ザ・ヒル」、サイモンとガーファンクル「スカボロー・フェア」の大胆かつ繊細なカヴァーが話題を呼んだ1968年のアルバム。
なんならスーパーベスト的なものを買えばいい、聴けばいい。 あるいはまた、動画サイトでこの頃のやつを観ればいい。 といった具合で話は終わってしまうんですが、そうじゃなくオリジナルアルバムで1枚となると断然これ。
先に申し上げると、というか懺悔というかお詫びというか、以前散々 Lani Hall だ Lani Hall だ騒いでいた私、動いている姿を見て迷わず上での動画で言うならば赤のドレスの方の、背の高いブロンドの人がそうだと思っていたんです。 っていうか俺、Hello It’s Me のジャケット見てみろよ、そっちじゃないほうが Lani Hall だろうがよ!!!!! はぁはぁすみません取り乱しました。 ということですっかり Karen Philipp がそうだと思っていたんです。 いやほんとうにごめんなさい。
っていうかいいんだよ。 Karen Philipp だってかなりにいいですぜ? なんなら(以下略)
Brasil ’66 でこの1枚っていうことで選んだのは、少なくともタイトル曲が、そのアレンジからなにからオリジナルに匹敵する(オリジナルが相当な出来なので、凌駕しているとは到底言えない)斬新さで、どうしても聴いてほしいくらいでありますし、アルバムタイトルに据えるだけのものなんですよね。
それに匹敵する出来栄えなのが Canto Triste でして、そもそも Edu Lobo の作品が多めなこのアルバムの中でも、Lani Hall が英詩を書き歌う(これはこの前の前の Festa もうそうみたいです)のでありますけれどもこれがすごくいい。
アートワークもいいですよねこのアルバム(Lani が裸足だ)、っていうのはさておき、このセルメンっぽくないアレンジの、でもやっぱりセルメンだよね、とか、いやボーカルからしてセルメンたらしめるんだよっていうくらいの勢いの話でもあるくらいに Lani Hall のボーカルがいい。 なんなら 007 のタイトルそのものを Never Say Never Again(次はないなんて言わないで)じゃなくて Canto Triste (悲しい歌)にしてこの曲にすればいいのに、などとわけのわかんない主張をしてしまいそうになるくらいであります。
ちなみにアルバムの次点はこの次にリリースされた Crystal Illusions だと思うんですけど、残念ながら持っていないんですよね。 だからアルバムトータルとしてどうなのかは言えないんですけれど、あの必殺チューンが収録されているんです。
Discogs に掲載されているクレジットを見ると、
Pretty World
https://www.discogs.com/ja/Sergio-Mendes-Brasil-66-Crystal-Illusions/release/488312
Written-By – A. Bergman-M. Bergman, A. Adolfo, T. Gaspar*
ってあるんですけど、あの Antonio Adolfo が関わってるんですね。 今年一番に驚きました(書いているのは12/15です)。