LIVE IN STUTTGART 1975 (CAN)

そういえばいろんなライブブートを聴いたもんであり、その全てが劣悪な音質であったのはそれなりに事情があったのだと、やっとこさわかったところ。 正直に申し上げれば何を演奏しているのかよくわかんなかったっていうか、こういう正規にしかも音質の良い盤が出ちゃうとこれまでのは缶に放り捨てちゃってもいいんじゃないかとかかんとか。

「ヒプノティックなグルーヴと前衛的なインストゥルメンタルのテクスチュアの、前例のない大胆なマリアージュ」っていうわかったようなわかんないようなことを連ねなければならないくらいの内容だったっていうのは実際に聴いてもらえればいいんじゃないかと思うんですけど、

レコードの収録曲を演奏するなんていうことはライブではしなかった、というのが具体的にわかるんですよね。 そっちはテレビのとかラジオのとかで堪能すればいいわけで、っていうリスナーの選択肢はさておいて、基本的にジャムセッションのバンドなんだなぁって痛感させられる次第。 その延長にライブなりスタジオレコーディングがあるんであり、そういう意味で言えばこのライブの2年前まで在籍していたダモ鈴木は本当に適任者だったのではないかと思わせるし、逆に言えばこのライブではいないわけですし離脱して2年も経つしで、いよいよボーカリストいなくてもやっちゃうよジャムっちゃうよ的な強迫観念を植え付けるようなライブパフォーマンスが展開されていなんですなぁ。

ただ、ときより明らかにミストーンを出す楽器があるために、聴き込んで聴き込んでっていうわけにはならないですし、果たしてBGMとなるかといえば疑問だしで、立ち位置があやふやな音源だとはいえそう。 CANを聴くならまずはスタジオ盤から、っていうのは鉄板なのかもねぇ。

それでも、ジャーマン・ロック最強説は揺るがないのであり、ちょっと気持ち悪いよねジャーマン、っていう褒め言葉はまだまだ有効なのでありました。 第2弾にも期待したいです。

《CAN: ライヴ・シリーズ》第1弾! !
最先端技術を用い、46 年の時を経て驚愕のサウンドがここに蘇る! !
スタジオ・アルバムとは異なる視点が明らかに! !

1968 年、ケルンのアンダーグラウンド・シーンに初めて登場したCAN。初期の録音はほとんど残されていないが、1972 年以降、ヨーロッパ(特にドイツ、フランス、UK)で精力的にツアーを行い、その伝説的なパフォーマンスが知れ渡るにつれ、多くのブートレッガーが集まってきた。本『CAN: ライヴ・シリーズ』は、イルミン・シュミットとルネ・ティナ―監修のもと、それらの音源の中から最高と言える作品を厳選し、重要かつ歴史的記録を最高の最先端技術を用いて、ここにお届けする。小説家であり、CAN ファンとして有名なアラン・ワーナーは言う「彼らのライヴ・パフォーマンスは、壮大な物語が語られている。異なる章からなり、気分や天候、季節、異国情緒あふれる風景など、変化に富んだ小説のようだ」60 年代後半に結成され、10 年余りで解散したCAN の、ヒプノティックなグルーヴと前衛的なインストゥルメンタルのテクスチュアの、前例のない大胆なマリアージュは史上最も重要であり、バンドの全く異なる側面を明らかにしてくれる。ジャムでは、おなじみのテーマやフレーズが渦巻くサウンドの中で刹那的に波紋を広げ、スタジオ録音よりもさなる広域な領域にまで到達し、音がメルトダウンす る並外れた瞬間までの過程をを聴くことができる。