Karen Carpenter (Karen Carpenter)

例えば。

Karen Carpenter は 1950 年うまれのアメリカ人。 高校時代にマーチング部に所属しドラムの腕をめきめきと上げ、また歌わせたらトレーナーに「教えることはない」と言われるほどの歌唱力を引っさげ、実兄とともに A&M(!)からデビューするのでした。 Hal David / Burt Bacharach の曲で世界的なヒットを記録するも、ついには摂食障害で 32歳の若さで死去してしまうという。

ヴォイス・オブ・カーペンターズ、カレンによる唯一のソロ・アルバム。79~80年ニュー・ヨークで録音され、96年に初めて日米でリリースされた。フィル・ラモーン(ビリー・ジョエル等)がプロデュースを手掛け、カーペンターズとは一味違う魅力が引き出されている。

曲目
01. ラヴラインズ
02. オール・ビコーズ・オブ・ユー
03. イフ・アイ・ハド・ユー
04. メイキング・ラヴ・イン・ジ・アフタヌーン
05. イフ・ウィ・トライ
06. 愛の想い出
07. スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー
08. マイ・ボディー・キープス・チェンジング・マイ・マインド
09. 遠い初恋
10. ゲス・アイ・ジャスト・ロスト・マイ・ヘッド
11. 時の流れに
12. ラスト・ワン・シンギン・ザ・ブルース

なんだかんだでレコード会社(A&M)にも実兄(リチャード)にも評判悪く、遂には自ら納得づくでお蔵入りしてしまうという悲運そのもののようなアルバムでありまして、そんなん眠剤中毒の兄に言われたかないよって話なのかもしれないですけれども、1980 年の時点でこれを発表するのは確かにリスキーであります。

ただ、内容がよくないのでは決してなくて、

ビリー・ジョエルのレギュラー・バンドのメンバー、マイケル・ジャクソン『オフ・ザ・ウォール』のレコーディング・セッションを終えた後のスタジオ・ミュージシャン、フュージョン系のプレイヤーがレコーディングに参加し…

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E3%81%84%E5%88%9D%E6%81%8B#%E8%A7%A3%E8%AA%AC

演奏面では文句のつけようがなく、楽曲についても1曲めがあの Rod Temperton ですから、すごいことになってますから! ほかも当時のトレンドをしっかり網羅していて、かえって早すぎたか?くらいの先進性でもあるんですよね。

ともあれカーペンターズをこよなく愛しすぎているファンにしてみれば、やれリチャードのアレンジじゃないとか、カーペンターズの歌い方じゃないとか、なになになにディスコ?とか、歌詞がどうしたって彼女のイメージにそぐわないとか、もうなんやかや拒絶反応を起こさせるにはうってつけの内容で、さすがにそれだったら聴かないほうがいいんじゃない?って思うんですよね。 嫌々聴くことでもなかろうに、って。

だもんでフュージョン系ミュージシャンが寄ってたかって録音した「よくわかんない歌い手さんの唯一作」だと思って聴けばいいんですよ。 そうすればこんなにいいアルバムはないですから。 既成概念に囚われすぎですよ、もう。

よくぞソロ作つくってくれた!って私なんかは思うんですよね。