アマゾンの「野上眞宏 写真集 ゆでめん」というタイトルは乱暴だ。
そもそも写真集というものを買ったことがほぼなく、買ったとしても自分で読むものではなくて直近でいえば奥菜恵だったか浅香唯だったかの写真集を友人にプレゼントするために買ったくらいだから一体全体いつの話だよっていうくらいのもんですが、そんな私が買う写真集っていうのは当然、こういうものになるんだろうし、おそらく人生で最後に買った写真集ということになるのかと思われ。
歴史的名盤となったはっぴいえんどのデビュー・アルバム──その誕生の現場を、時空を超えて目撃せよ!
『ゆでめん』の通称で知られるアルバム『はっぴいえんど』は、1970年4月に録音され8月に発売された。本書は、そのレコーディングに密着した野上眞宏が、新しい音楽の創造と向き合うメンバーの生々しい姿をファインダー越しに記録した、世界に類を見ない写真集。日本語/英語併記。永久保存版!(監修・鈴木茂)
◆アオイスタジオでのレコーディング風景
◆自宅での細野晴臣
◆松本隆とのフォト・セッション
◆シブヤ西武MAYカーニバル
◆鈴木茂インタヴュー
PHOTOGRAPHS
MIKE NOGAMI
The First Album by Happy End
Recorded in April 1970
写真集を買うのに慎重というか臆病というか二の足を踏むのは、それが案外にして高価であるのと、正直申し上げてそんなに何遍も何遍も何遍も読み返さない「であろう」ことが予想されるからであり、結果コスパ悪いよねってことになるからなのでしょう。
なのにこういう、二十歳前後の日本人の若者が楽器を手にして録音しているのを撮影したのをわざわざ写真集にし、わざわざそれをなんのためらいもなく買っちゃうっていうのは、それが「はっぴいえんど」のしかも「ゆでめん」のそれだっていうことであり、それが1970年4月だっていうことであり、フォトセッションで新宿の都電跡とか見られるからであるんです。
シブヤ西武MAYカーニバルのそれはさておき、ほかはどれも「ゆでめん」のジャケットに使用されたセッションだということでこの写真集がまぎれもなく「ゆでめん」と題することができるわけであり、いやぁ買ってよかった。
ちなみに大瀧詠一が持っているエレキが VOX のそれではなく、鈴木茂所有のエルク製のジャガーモデルをノコギリで小さくしたものだと判明し、あのね、それを知っただけでもボクは幸せですよ、もう。