Michael Lloyd のキャリアの中で最初期にプロデュースを受け持った October Country は、サイケ・ポップであったりフォーク・ロックの範疇で語られることが多く、バンド名と同じ楽曲でデビューする(ちなみに 1968年リリースのこの唯一作も、ほとんどがこの人の曲だったりする)っていうところから「作られたバンド」であり、ゆえに Michael Lloyd の気合が入りまくっちゃって豪快にソフト・ロックの海に船出したわりには商業的な成功を得られないために解散しちゃったという図式が読み取れるところなんですけれども、実際はすでにバンドはそこにあり、業界の荒波がバンドをそうさせた、と、要するにバンドは被害を被ったんじゃないか説も挙がるところであり、こう「売れてやる!」的な気合がバンドにあるも業界の大人の言うことをきいているとなんだか違うことになってね?みたいな風向きになって、結果的に 2021年の今、アルバムを聴くと「作られたバンド」でしかないという不幸中の不幸なのかもしれません。
上記のとおり、Michael Lloyd による気合の入ったサウンドプロダクションにより、当時の普通のバンドでは実現できなかったであろう確信犯的ソフトロック的アプローチが一周回って結局はバンドの持ち味になったというのも皮肉なもの。 ちなみに私は My Girlfriend Is A Witch の、ちょっとひねくれたビートが好きです。 うん、他のもいい曲ぞろいです。