今は知らないが昔は、ちょっと普通じゃない CD ショップには Sun Ra のコーナーがどういうわけかあって、コーナーがあるわりには CD の数は少ないという、ちょっと悲しい状態ではあったものなれど、往々にして Disco 300(しかも赤いやつ)か、この Walt Dickerson とのデュオだけはあるという、そんな記憶がありまして。
Walt Dickerson という人はヴィブラフォン奏者で、ここでも弾いている。 Sun Ra はもちろんピアノ。 フリージャズの領域に入るのかもしれないけれども、いやこれは間違いなく Sun Ra であります。 彼が弾けば全部宇宙になっちゃうんですし、恐ろしいことにヴィブラフォンがそれに輪をかけて四次元殺法。 っていうかかえって Sun Ra が脇役にまわっている風でもあり、都度ご返杯を重ねながら昇華していくさまは、インプロを超えているような。