Telex に軟弱な印象を持っていた私は、それがうわべだけのことだと知るのに相当な年月を要しており、そもそもそれなりのキャリアを有していた音楽家たちがそれぞれ Kraftwerk であったり YMO であったりという所謂テクノの元祖として活動していたのと同様に、Telex は「あの」Placebo の Marc Moulin が結成したシンセポップバンドなのだと知るのはつい最近のことだったのでした。 それは、その「あの Placebo の人が作った新しいバンド」というのがシンセ・ポップであって、その音楽的なキャリアの落差というか次元の違いが違和感を伴って先の軟弱さを感じる印象を軽やかに払拭したのでもあったんです。
それとは別に、細野晴臣やコシミハルとは別の角度から Telex に入り込んだのも事実であり、それはなんとあがた森魚。 というか最近のわたし的なあがた森魚ブームは今回、ちょっと長めに続いておりまして、YouTube なんかで後から後から Virgin VS の動画が見られちゃうもんですから楽しくてしょうがないし、いろんな復習がそこにあるのを感じるのでもありましたがそれはさておき、Virgin VS の「夢のラジオシティ」は、あがた森魚の「乗物図鑑」に収録されていた「恋のラジオシティ」であり、阿木譲のディレクションによって「サブマリン」に Joy Division の She’s Lost Control のフレーズが転用されるとともに「恋のラジオシティ」で使われたフレーズがこの Telex の Twist A Saint Tropez だという事実というか文献を初めて目にしたのがつい最近のことだったという次第です。
もうなんというかそれだけでお腹いっぱいであります。 他にも書くことがありすぎて困るんですけど、この投稿を書くにあたって知ったことがありまして、それは Twist A Saint Tropez がカバーなんだっていうことです。 Les Chats Sauvages というバンドの曲(リリースは 1961 年とか 1962 年とか)だったんですね。