Arnaldo Baptista が Sergio Dias の弟だなんて知らなかった。 いや知らなかったで済まされる話ではなくて、トロピカリア(トロピカリズモ)の本をあたしゃ読んでいるし(買ったし)、知ってて当たり前っていうか絶対にそのへんは書いてあるだろうに、あまりの興味の無さからか「知りませんでしたー」とかぬけぬけとあたしゃ。
Os Mutantes の(最初の)解散前、Sergio Dias 以外のメンバーを一新して云々というのを前に書きましたけど、そのまえに Rita Lee は抜けているわけで、じゃぁ Arnaldo Baptista はどうなんだと調べましたら 1973 年には抜けていたんだそうな。しかもバンド内のゴタゴタの他、LSD乱用とか、飛び降りとか、ちょっと華々しすぎやしないか・・・。
ソロ作としては案外に早く・・・って Sergio Dias にはバンドがあったわけだからそりゃそうなんですが・・・1974 年に Loki? をリリース。 最高傑作だとかなんだとか言われていますけど、ちょっと私には合わなかったです。
それよりも 3rd になるのか 4th になるのか、1987 年にリリースされたこの珍盤奇盤がすごい。 いわゆる宅録だそうで、2チャンネルの(おそらくは)テレコで録音されたであろうものをスタジオでマスタリングしたんだそうで、担当者の苦労が忍ばれるものの、絶望的に音が悪い。 ローファイの先駆けと言ってしまえばそうなのかもしれませんけど、ちょっとした狂気すら感じさせ、もう帰ってこられないんじゃないかって思わせるほど。 この後単独作としては 2004 年に Let It Bed をリリースし、そこでも狂気というかむしろ脱力しまくりな世界を展開しているのですけれど、正直心配だよあたしは。
でもなんとかと天才は紙一重というとおり、内容はかなり濃いです。