Onda Nova (Lucas Arruda)

1stアルバム『Sambadi』( ’13)、2ndアルバム『Solar』( ’15)が共に大絶賛を浴び、その都会的な極上メロウ・グルーヴがブラジリアン・フュージョン・ファンやDJ諸氏の心を鷲掴みにしてきた
ブラジルきっての洒落者、ルーカス・アルーダ。もはや期待しかなかった3年半ぶりの3rdアルバムがついに到着!そして、これがまたも絶品中の絶品! 
前作でもその片鱗は見せていたものの、本作はさらにAOR方面に振り切ったサウンドへとシフトしており、その楽曲クオリティは、近年のAORリバイバルの真打ち登場と言っても過言ではないほどにハイレベル。
エヂ・モッタの2018年作『Criterion of the Senses』にも参加していた兄チアゴ・アルーダとの共同プロデュースということもあってか、同作と共通するニオいを随所で振りまいており、まさにエヂと双頭の〈ブラジリアンAOR近年最高傑作〉と言える内容に仕上がっています!
いやむしろ、よりフロアライクなグルーヴや色気あるサウンドを求めるリスナーにとっては、本作はエヂを凌駕しているとさえ言えるでしょう! エヂのアルバムが「センスの尺度(Criterion of the Senses)」なら、ルーカスのコレはさながら「センスの塊」。
往年のAOR名盤へのオマージュのようなジャケットもいい味出してます。リリースは今回もアンドレ・ソロンコ等を擁するフランスの気鋭レーベル〈Favorite Recordings〉からということで、その品質は間違いありません!

Lucas Arruda はどれも好盤。 ブラジルのグルーヴ、ネオソウルに寄った MPB といえばこの人にとどめを刺すんじゃないかというくらいなのですけれども、よくよくしてみれば 1st が 10 年前になるんですねぇ。 1983 年生まれということで若い若いと思っていても今年で四十路、光陰矢の如しであります。

そんな 3rd は 2019 年の作品なんで、ちょっと前の・・・ということになりますが、振り切った先のジャンルが AOR なんだもんで、もうあんまり何年前かとか構わなくなってきてるんですよね。 1st あたりの妙なシンセの使い方とかならいざしらず、なにしろ AOR ですから。

ところどころインストがあって、どうせ AOR に振り切るんならば全曲歌モノにしてほしいなぁとは思うのですけれど、なんなら 3 枚まとめてエンドレスでかけちゃえば歌モノの曲数が増えるわけですからいいんじゃない?っていう無理くりな判断で乗り越えてきた私です。 ここのところ父の病院通いに付き添ってきまして、車中でそういう聴き方をして癒やされたのであります。

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