Solutions (Greenflow)

■LA・ハリウッドに開店したクラブの専属バンドとして1975年ごろ結成されたのがグリーンフロウ。ヴォーカリスト/トロンボーン奏者のアート・グリーンとその妹エレノラ(Vo)を中心に白人黒人混成バンドとして活動を始めた彼等はオリジナル曲とR&Bカヴァーを中心にクラブで人気を得ました。その後駐アジア米軍の慰問バンドとして日本を訪れたこともあるとか。帰国後ハリウッドのマイナー・レーベルで制作された唯一のアルバムがこの『Solutions』(77年)。きわめて少量しかプレスされなかったというオリジナルはオークション平均売買額が20万円超えという最高級のレア盤。ミステリアスなジャケットも好奇心を刺激しますが、ジャズ、ソウル、ソフト・ロックなどが一体となったサウンドはアメリカ音楽の面白みが凝縮されたようです。
■かつてMIXCD『DEEP ENOUGH VOL.0』にも収録されたM5「Song From Leslie Sue」はムチムチのブレイクビーツからスタートするファンキィ・ジャズ。他にもサウンド・クリエイターを魅了する未加工のロウなグルーヴと愛らしい旋律が満載です。スウィート&メロウなエレガント・ソウル「No Other Life Without You」、ラウンジーなパヤパヤ・ジャズ「I Gotcha」、男女ヴォーカルが歌い上げるソフト・ロック風美曲「I Wanna Hold You」など、全編に響く柔らかなフェンダーローズの音色とハイハットの刻み、わずかなルーム・エコーが雰囲気満点。ガルト・マクダーモットの作品群にも似たそれらがかもし出す強烈な“アメリカの匂い”にくらくらするようです。

CD化された際のライブ演奏もこれまたよくて、なんなら CD 欲しいよなぁって思うも売り切れで、なんなら Spotify か YouTube か、というところ。 ただ、あんまり音質が良くない。 あくまでも資料として・・・いや選曲から何からいいんでホント捨てがたいんですよね。

なにしろ懐の広いバンドで、ソフトロックからジャズ、ソウル・ファンク、R&B っていいところ取りもここに極まれりというところで、捨て曲なしなんですよね。 まぁオリジナルは 30 分ちょっとの収録時間なんではありますが。

それにしても私が好きなのが(オリジナル盤でいうところの)最後の曲「I Wanna Hold You」であります。 いやぁいい曲だなぁって何度も何度も聴いて、そうかセルメンか!って気がついて。 ソフトロックというかセルメンなんですよね。 このローズだってセルメンが弾いてるんだよって言われたらそうかと納得しちゃうですよ。

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