これぞ Bosstown Sound っていうのが今ひとつ掴めていなかった私でしたが、Ultimate Spinach を聴いて溜飲を下げました。 とりあえずは 1st (1968) を聴けばいいかとは思いますし、そのレコーディングの直前にすったもんだあってまるで別バンドになってしまった(あの Jeff Baxter が参加していると今回初めて知りました) 3rd (1969) は文字通り別バンドだと捉えるべきであるところで、私が注目もし(肯定的な意味で)興味深く聴いているのが 2rd であり 1968 年に MGM からリリースされたこのアルバムであります。
もとは西海岸はサンフランシスコ(シスコはロックシティぃぃぃぃ!)で盛り上がっていたフラワームーブメントなサイケシーンの二番煎じを東海岸でも!という、大人が考えつきそうな仕組まれたものであった Bosstown Sound だったそうですけれども、そのシスコっぽさ・・・CISCO っていうレコード屋さんがあったよなぁ・・・をどこに見い出せばいいのか分からなかったんです。 でもここで聴かれるのは、サイケな曲を女性ボーカルが歌っちゃうっていうエアプレインっぽさであったり、妙に長い曲の途中で詩の朗読があるなんていうドアーズっぽさであったり、本家に敵わないドスの効かなさっていうか狂気っぷりっていうかドープっていうかストーンドの薄さがあるはあるものの、すごく頑張ってると私は思うんですよ。 ダメだこれは〜!なんてひっくり返っちゃうこともないと思うんですよね、強く思うんです。
1st はそこそこ売れたものの、やはりお仕着せの印象が強すぎて 2nd は売れなかったそう。 でも内容をしっかり捉えればあながち悪い出来栄えでもなく、隠そうとしても見えてきちゃう西海岸っぽくない感じ(それが東海岸らしさなのかはわからない)も、みょうにスパイシーで独特な印象を与えるところ。
いいと思うんだけどなぁ、2nd だけは。