1968 年の東海岸は Bosstown Sound が悪評を撒き散らしていたわけですが、それ以外・・・というか本来の音楽シーンはどうだったんだろうかっていうことで調べてみて真っ先に出たのがご存知 Music From Big Pink でありました。 これ、このデビュー作って 1968 年だったんですね。
時代はサイケ、つっても西海岸で爆発的に立ち起こったシーンをもろともせずにルーツ・ミュージックを掲げて切り込んできた・・・という印象がとても強く、ここ最近(つってももう何年も経ってるか)までスワンプが苦手で苦手でしょうがなかった私は、聴かないことはないし毛嫌いをしてきたわけでもなかったんですけど敬遠気味だったのは偽らざるところ。 でも最近は好んで聴いていることもあって、Last Waltz までの諸作品をエンドレスで聴きながら就寝するという、東京時代の自分が見たら卒倒するであろう行為に及ぶにいたり、何年かまえに制作されたドキュメンタリーまでこの期に及んで観る始末。 そして「あぁ末期はやはり薬物かぁ」と陰惨たる思いになり、ならばと 1st に立ち返る・・・というところもなきにしもあらず。
Big Pink でレコーディングされた作品ではない、っていうこの世をひっくり返す事実を知ったり、同名の韓国の再販レーベルに敬意を表したり、この作品にかける想いはとても多いところ。 それであっても名盤と言われるだけあって、一度聞き出すと延々とリピート再生しちゃう、そういう中毒性があるんですよね。 なんなら前述の Last Waltz まで一気に聴き通すという夜の儀式もあったりで、たいへんなことになってはおりますが。
ただ、この人たちって暗い影がつきまとっている印象がとてもある。 それだけは書きたかった。
2023.10.11 追記:これを書いたのは 6 月のこと。 8 月に Robbie Robertson が死去されました。 合掌。