どういう経緯でこのバンド名になったか理解に苦しむ Pacific Sound の唯一作は 1972 年のリリースで、2000 年代の CD 化にあたってアルバム未収録のシングル曲が追加されたのですが、その・・・ B 面の曲がボーナストラックになるのならわかるんですけど、なんだまたアルバムに A 面の曲をだ、そもそも入れなんだ?ってよく思うんですよね。 それともそれ(入れる)が普通で、よりによってそうじゃない(入れない)アルバムばっかり聴いてるのかもしれないですし、濃厚な気もしないでもないものの、アルバムをこさえるのは骨が折れるものでしょうから、シングルの曲なんかガンガン入れちゃえ YO! って思うんですよねあたしは常々思ってまいりました。
Pacific Sound はスイスのバンド。 鍵盤奏者がおり、その雰囲気がジャーマンっぽいとされているのですけれど、私にはそう思えない。 そもそもジャーマンっぽいオルガンってなんなんよっていう根本的なところから紐解かなくてはならないのも癪なので放置しますけれど、そういう印象の差異っていうのはアルバムにも象徴的にあらわれていて、誰だこのジャケットデザインしたの責任者出てこい!っていう話。 こういうジャケットから連想されるような音はありませんのよ。 実際はハードめなサイケ。 どちらかといえばアート・ロックっぽいアカデミックさがあるものの、どっちつかずというか半端さが見え隠れしてしまうのが惜しいところ。
シングルでリリースされた Ballad To Jimi っていう曲がいい。 なんとなく「そのタイトルはどうか」感がないでもないですけど、そもそもこのアルバムってオリジナルはレアなのだそう。 確かにそうだ、けっこういいもの。