Myrna Hague といえば Studio 1 なんですが、ここでのリンクのほとんどが 2014 年にリリースされた新録モノ(?)で、よくわからないレーベルからのもの。 そっちはそっちで音もいいしいいんですけれども、私が話したいのはそっちじゃなくてオリジナルのほう。 Studio 1 から 1972 年ごろ(1979 年とも)にリリースされた、本人が向かって右を見ているアルバムジャケットのやつ。 あまたある Studio 1 のコンピで、女性モノであれば必ずといっていいくらいに収録されている Myrna Hague ではありますが、その中の一つ「Feel Like Jumping: The Best Of Studio One Women」なるコンピのジャケットにもこの「Melody Life」のジャケットが流用されていますですね(楽曲としてはラヴァーズ・ロックな「What About Me」が収録されています)。 つまりそのくらい重要なアルバムだって言うこと・・・なのに・・・オリジナル盤は CD 化されないんですよね。
元々はジャマイカうまれとのことなんですけどイギリスに渡り、60 年代の半ばくらいからジャズ歌手として活動を開始したとのこと。 何枚もシングルを出した後に満を持してアルバムがリリースされたようですが、レコーディング生活はそこいらで終わってしまったらしく、前述の新録モノとか、それよりちょっと前にリリースされたというライブ盤(未聴)くらいまで梨の礫だったよう。 ですがジャズ歌手としてはたいへんに評価が高く、本国ジャマイカ(ジャッメイカッ)さまざまに受賞歴があるそうな。
イギリスでジャズ歌手として活動を始めたわりには本国ジャマイカのスタジオ/レーベルからの音源リリースということで、もしかしたらこの時点で帰国したのかもしれませんけれども、なにしろ正確な情報が少ない。 ジャズ歌手だけどレゲエの本場である母国に帰ったんだからレゲエもやりますよー的な懐の深さなのか業なのか。 アルバムもレゲエに拘っている様子もなく、カバー多めでラヴァーズ・ロックといっていいのかロックスティディといっていいのか悩むところではあるんですが、圧倒的な歌唱力のおかげでジャンルはあんまどうでもよくなったりするんですよね。
ちなみにラヴァーズ・ロック度マックスな Touch Me Baby は元曲もレゲエで Carol Brown がオリジナル。 オリジナルがキュートなのに比べ、ジャズ歌手が男むさい Studio 1 で録音したからなのかドスが効いちゃっておもしろいです。 オリジナル盤、ちゃんとした体裁で CD 化されないかなー。