Buckinghams を聴かず嫌いだったことはなく、聴いて嫌いだった。 というのも最初に聴いたのが 4th (1968) の In One Ear And Gone Tomorrow で、聴いて一発でイヤになった。 余計なおふざけが多すぎるのだ。 どういう意図なのかいまだに掴めていないし掴まないが、ある一定数、私から見れば不毛で無味で不愉快なお喋りや SE を曲の頭や終わり、なんだったら途中に捩じ込んできて、曲をぶち壊しにする。 あんなの何がいいんだろう、って思ってきた。
そして今でも思っているので、今や私にとって 4th はなかったものとしている、自分勝手に。
ということでオリジナルというか 60 年代に 3 枚の(←)アルバムを Buckinghams なんですが、それぞれを通してみると全てのアルバムにおいてブラスが含まれており、James William Guercio の印象深いプロデュースというものが垣間見られます。 USA Records からリリースした 1st は、1967 年らしいポップでガレージなロックが全面展開されており、瑞々しく狂おしい。 サウンドの割りには少々荒っぽいところもあるので、とっても青春なのであります。 Columbia からメジャー展開を果たした 2 枚であり通算での 2 枚目は、その途中で James William Guercio と袂を分かったこともあり、玉石混交というよりは湖から元の川に戻ったようなところがあり、やたらとギラったギターが超かっこいい。 これはサイケだと言ってもいいのかもしれません。
ともなると Time & Changes は「ブラスをアテにしすぎた軟弱なロック」ということになってしまうかもしれません。 でも実際にはうまくマッチしてはおり、軟弱の軟を使ってソフトロックなんだと捉えれば成立しちゃうんですよね。 確かに本国ではサンシャインロックだとされており(このアルバムだけだろうけど)、ブラス・ロックでソフト・ロックだなんて、先走りすぎですー!っていう話です。
片目を瞑ると見え方は随分変わるんだなっていう。