60 年代末に結成されたドゥーワップのグループを母体として結成された「バンド」であるところの Bloodstone のアルバムデビューは 1972 年。 Decca(というくらいだから本体なのだろう)から大変に内容の良いデビューアルバムをリリースしたあと、このカンサス出身のバンドは活動の場をイギリスに求めたのだそう。 しかし果たせなかったそう。 その余韻なのかなんなのか、その後のリリースは London Records からとなるのが皮肉というかなんなのか。 どちらにしても Decca から放り出されたわけじゃないので、いいか。
そういう経緯があったとしても、もしイギリスに渡ってこの 2nd であるところの Natural High を大々的にリリースしていたらもっともっともっと売れたんじゃないかと思うと非常に興味深い。 趣向が見事に反映されていて、およそアメリカのバンドじゃないように聴こえるのであります。 さすが Mike Vernon。 っていうか知らなかったですけどね、プロデューサーが誰だったのかいままで。
バンドは次のアルバム Unreal (1973) で 求道的な面を見せつつも、この時点で得体のしれない失速感を聴くことができます。 アルバムとしては 80 年代中盤でその活動に幕を下ろし、そのサウンドは時代に迎合・・・というか飲み込まれてしまったところに一抹の悲哀を私なんざは感じるのではあります。
それにしても Bloodstone は 1st と 2nd がいい。 というのも私が最初に Bloodstone を知ったのが、自身そのものよりも前に、Claudia Fontaine というラヴァーズ・ロックの女王みたいな人が Natural High を歌ってるのを聴いてなのであります(リンクしときますね)。 で、この Claudia Fontaine という歌手が音源を全然残さない人で、その割にはこの Natural High のテイクが(ラヴァーズ・ロックからすれば)完璧なものであり、すっごい中途半端感を引きずりながらうやむやなってしまったというわけのわからない経緯があったんです。
その時に、Claudia Fontaine のくだんのシングルが Decca からリリースされている点、作曲家が明記されている(レゲエ系では珍しいけど、Decca ですから!)点とで探せばよかったんですよね、オリジナルを。 何年も何年もかかっちゃったよー。