ジャマイカ出身のルパート・“オージジ”・ハーヴェイがトロントで結成したレゲエ・ファンク・バンド、クラック・オブ・ドーンを経てリリースしたファースト・ソロ。アース・ウィンド&ファイアの影響を受けたコンテンポラリーなファンク・ミュージックはAORファンも必聴。80年代に率いたメッセンジャーズではトム・クルーズ主演映画『カクテル』(88年)にも出演、ジュノー賞にも輝くなど、ジャマイカ以外の土地を拠点に活躍するレゲエ・バンドとしては屈指の人気と知名度を誇ることになった。
Ojiji で検索すると「やたらに」Rupert Harvey というシャーベルかなんかのギターを構えてるおっさんがヒットするんで、まさかなぁとは思ったけれどその実御本人。 Ojiji 名義では 2 枚のアルバムをリリースしただけなのか、1980 年にリリースされた Half Way Home がどこを探してもない(CD 化されていない)のに後ろドレッド髪を引かれるおもいなのは、前作から 1 年だというのに一気にレゲエに振り切ったとの噂だから。 カナダ恐るべし、っていいたいんだけどなぁ。
それはさておきこちらはソロ名義での第 1 作目。 1979 年のリリース。 リリース元の Ultra Record は謎のマイナーレーベルらしく、この人と Elaine Golden というこれまた謎のカナダ人歌手の作品しかリリースしていないっぽく、しかも極端に活動期間が短く、もうなにもわからない。 それでも本作では前述の Elaine Golden さんがバックコーラスで参加しており、局地的なコミュニティがあったのだろうと推測できるところなんですが、なにはともあれ内容がちょっとよくわからない。
というのもそもそもジャマイカ出身だっていうんでレゲエの曲が収録されているのはいいとして、いやそのレゲエを含めて全体的にいえるのが、随分に AOR に傾いていること。 ともすればフュージョンって言ってしまっても差し支えないくらいの洗練っぷりで、1979 年っていえばフュージョン花盛りの時節だったのでしょうけれども、裾野はこんなにも広がっていたのだろうかと驚かされるばかりです。 なんかもー演奏がまとまりにまとまっていて、聴きやすいことこの上ないながらも、空恐ろしさをおぼえるくらい。