大学院で学生運動について研究していた著者は、ある手紙に出合う。父から子への想いが綴られたその手紙は、12人の同志を殺害した連合赤軍リーダー森恒夫によるものだった。残酷な事件を起こした犯人像と、手紙から受ける印象が結びつかない筆者は、森恒夫の足跡(そくせき)を追い……。
なぜ28歳の青年・森恒夫は日本に革命を起こそうとしたのか、なぜ同志を殺害したのか、そしてなぜ自ら命を絶ったのか……。
その答えを求め、森の高校時代の同級生、北朝鮮に渡った大学時代の後輩、「総括」を生き延びた連合赤軍の元メンバー、よど号ハイジャック事件実行犯の一人・若林盛亮らと対話する。
今となっては思い出しづらいのですが・・・それでもわざわざ彩流社の書籍を買うために妻と「上京して」書泉グランデに行くくらいなので長野県に移住してからのことなのだろうですけれども、連合赤軍の関連書籍をやたらに読んでいた時期がありました。 すべての書籍を読み切ったわけではなかったのは、その内容があまりにも陰鬱で、この世に「逃げ出せない暗闇」があればきっとこのことだろうって思うくらいに気分が沈むような出来事だったからで、実生活に必ず影響を及ぼすなぁって感じ、すっぱりと買い集めたり読み耽るのをやめたからなのでありました。 ですから冒頭で「思い出しづらい」って書いたのは、実は「思い出したくもない」っていうことなのでしょうよ。 ちなみにこれは 12/12 に書いています。
実際その後に発刊される連合赤軍関連の書籍は、読んでみてもピンとくるようなものがなく、良い潮時で抜けられたのかなぁとは思っていながらも常に一つの疑問がありまして、それが森恒夫の変貌なのでありました。
自派に戻った坂東は森に「2人目処刑」について報告すると、森は「またやったのか! もはやあいつらは革命家じゃないよ!」と、じっとうつむいたという。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B0%E6%97%9B%E6%B2%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6#%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%A1%8C
引用するだけでも気が滅入るけど・・・こういう反応を示した人がどうしてあのように変貌したのかが、高校時代の同級生のインタビューから始まるこの書籍で鮮明になりました。 だのでその意味でこれは私にとっては必読の書なのでありました。
でも、正直言って現代の若者がどうこうとか、現在の政権がどうこうとかはどうでもよかった。