So Soon We Change (David Ruffin)

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テンプテーションズの黄金期を支えてきたリード・ヴォーカリスト、デヴィッド・ラフィン。グループ、ソロ時代と長年在籍していたモータウンを離れ、ワーナー移籍後の第一弾アルバム。プロデュースは名プロデューサー、ドン・デイヴィス。

David Ruffin が Temptations のボーカリストであったことを知らないのならば、David Ruffin が Temptations に加入したことで Temptations は開花したのだということを知り、My Girl というウルトラヒット曲のメインボーカルが David Ruffin だったという事実を踏まえ、その初代ボーカリストがおそらくは自身の人格故に 1968 年にグループを離れてソロ活動にシフトした経緯を念頭に置いて欲しい。

で、これなんだっていう話なんですよ。<アルバム

David Ruffin を聴くのであれば、まずは在籍時の Temptations だとは思いますが、ソロ作品であるならば Motown 期でありましょうし、その中で強いて言うならばブリッブリのソウルからちょっと進化した Everything’s Coming Up Love あたりが私は好きなんですけれども、そこを敢えて晩年(1991 年やりたい放題の挙げ句にオーバードーズで死去)の So Soon We Change (1979) にしたっていうのには理由があります。

ずーっと在籍していた Motown から離れ Warner Bros. に移籍しての 1 作目は、なんとプロデュースが Don Davis だったりして、そうなるとデトロイト勢がこぞって録音に参加するわけで自然、1979 年という時期的なことも併せてディスコ風味が加わるのであり、なんとなくボーカルだけが浮いている感じがしないでもない。 それを前提にして私は接したのでありましたこのアルバムに。

というのも、なんといっても 1 曲目がいろんな意味で衝撃的だったからであります。 その 1 曲目は Let Your Love Rain Down On Me であります。 Jewel Bass が同年 1979 年に Malaco からシングルでリリースしたいわゆる「Malaco の至宝」。 それをどういう経緯なのか David Ruffin がアルバムの 1 曲目に据えたのであります。 そもそもこの曲は作詞作曲が誰かっていうと Charles McCollough, Joe Shamwell, Tommy Tate っていう、Tommy Tate っていう! そうだったのかっていう卒倒しそうな衝撃がありまして、いよいよ Tommy Tate がすごい人っていう私の評価は上がりっぱなしなんですけど、それにしても Malaco 勢がどうしてこっち(David Ruffin 側)まで侵食したのかがよくわかりませんが、更に驚くことにこの曲の管弦系のアレンジが Patrick Adams なんですよ。

この 1 曲目だけでご飯三杯いけちゃうんでありますが、不思議と私はこの David Ruffin の後期のアルバムが、なんか勢いがなくなっちゃってディスコにも今ひとつ合わせられていない消化不良なアルバムが好き。 一番いいのがアルバムジャケットを隠してこのアルバムが誰のだかわかんないようにして聴くことだと思っています。 そうすると、David Ruffin という前提を隠して聴くと、なかなか良いディスコ寄りのアルバムなんですよ。

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