The Greatest Show On Earth (Metropolis Featuring The Sweethearts)

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ニューヨーク市が1977年に催した観光キャンペーン「I Love NY」のキャンペーンソングに便乗したディスコ・バージョン・カバーM-4「I Love New York」を収録したメトロポリス唯一のアルバム。ギャズと同じジョルジオ・モロダー周辺のミュンヘン・ディスコ・サウンドのブレイン、ソー・バルダーソンを中心としたスタジオ・プロダクションが残した本作はトム・モウルトンとミュンヘンサウンドが融合した都会的なアーバンディスコサウンドを展開する人気作品!

Steve Karmen が作った I Love New York というあまりに有名な曲はニューヨークの州歌なのだそうな、お恥ずかしながら知らなんだ。 州に寄贈したのだそうだけど、オリジナルシングルのノートにはこうあります。

Originally issued in 1977 on the independent Struttin’ Records label, and repressed and distributed by Private Stock Records, as the release garnered favourable sales. It was made the official state song of New York State the same year.

https://www.discogs.com/ja/master/292259-The-Steve-Karmen-Big-Band-I-Love-New-York

Struttin’ Records っていうのは Steve Karmen の個人レーベルなのかしらん(彼が関わった数枚のレコードしかカタロゴスされていない)。

という私の長年の疑問は氷解されたことでさておいて、この I Love New York というか I♥NY の便乗作品をあの Salsoul からリリースしていたとはこれまた知らなんだです。 だって Metropolis Featuring The Sweethearts っていわれてもねぇ。 ちなみに検索では Metropolis Featuring The Sweethearts じゃぁ引っかからないですね。 Metropolis じゃないと。 でも Metropolis だけじゃぁいろいろヒットしちゃうしさ。

唯一作っていうのは Metropolis であり The Sweethearts でありがこの作品のためだけにでっち上げられたものだからなんでしょうけど、ニューヨークの観光キャンペーンに便乗したから作家群をしてメトロポリスってするというのは安易というかなんなのか、微笑ましくていいですよね。 アルバム冒頭でモロダーサウンドをお見舞いされちゃうのは、Roberta Kelly の Zodiac Lady で有名な Pete Bellotte と Thor Baldursson が中心メンバーだから。 さりげなく「我々ですよ」アピールをするのが小憎たらしいです。

モロダー系作家群のアルバムなのに思っきり Salsoul の香りが強いのは、これがディスコアルバムだっていうのも当然そうなんであり、逆に言えば Salsoul から出せばこういうふうにホーンだストリングだがふんだんに盛り込まれた極上の NY ディスコになるんであり、さすがニューヨークのレーベルですよね。

蛇足ではありますが、The Sweethearts というのは Carla Benson、Evette Benton そして Barbara Ingram からなる即席ボーカル隊のもよう。 なにしろ Barbara Ingram ですから。 ていうか最初は Barbara Ingram 目当てであれこれ探していたら Salsoul からこんなアルバムが出ていたんだ!っていう経緯だったんですけど、このアルバムでも Barbara Ingram はいい仕事をしています。 なにしろ曲がどれもいいんで困っちゃうくらいなんですが、M2 の Was That All は特筆すべき佳曲であります。

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