デヴィッド・リンチの『イレイザーヘッド』の音楽を手懸けていた事でも知られる奇才、ピーター・アイヴァースの記念すべきデビュー・アルバム(69年作)、待望のオフィシャル・リリース!! アニー・ロスの後釜としてランバート・ヘンドリックスに加入したスリランカ出身の女優でジャズ・シンガーのヨランド・バヴァンをヴォーカルに迎え、ブルース、ジャズ、フォーク、ロックが渾然一体化したフリーキーなサウンドでカルト的な人気を誇っている伝説の名盤。キャプテン・ビーフハート・ファンにもお勧めの一枚。ヨランド・バヴァンらこのアルバムに参加した人々へのインタヴュー含む詳細な解説付。
Peter Ivers という人を私はブルースハープの人であり、歌は二番目なんだと常々思ってます。 が、その明らかにまともではないボーカルは決して粗末なものではなく、たいへんに味わいがあるし、実際問題 Terminal Love (Peter Peter Ivers Band – 1974) であったり Peter Ivers (Peter Ivers – 1976) も好きで聴いています。 けれども私個人としては、他にボーカリストを招いて本人はハープに専念する、というこの Peter Ivers’ Band としては唯一作(1969 年リリース)をこよなく愛し聴き込んでしまっています。 招いた女性ボーカリストに本人の歌唱法は影響されているのだろうか・・・
ブルースを基調としているし、延々ブルースハープが鳴っているのも普通なんですが、なにしろいちいち逸脱しているのが興味深い。 ジャンルは Rock で スタイルは Psychedelic Rock, Avantgarde, Experimental ということですけれど、通底しているのがブルースであることは明白です。 でも演奏は変だし、ボーカルはジャズを経由しているから器用に取り回しているし、Peter Ivers という人は天才なのかどうかはさておいて、唯一無二であることに間違いはないです。 アルバムジャケットもヘンだし。