マイアミのメロウ・グルーヴ・ソウルを代表するギタリスト/ヴォーカリストのリトル・ビーヴァ ーが、本名のウィリー・ヘイル名義でリリースした80年の5作目。シグネチャーともいえる高音 ファルセットづかいの“Don’t Get Tired Of Me”をはじめ、フィリーのラッパー、フリーウェイ が“Street Music”(2014年)で使ったグルーヴィなミディアム・メロウ名曲“Groove On”な ど、最終作にしては惜しい好曲ぞろいの秀作。
Little Beaver の本名 Willie George Hale 名義のリリース。 話によるとこのアルバムが世に出た頃(1980 年)には引退状態だったらしく、よって最終作となるそうな。 基本は本人によるプロデュースで内容もよく、メロウめで AOR テイストも感じられ、なんでこれが最終作なのかまったく不思議ではありますけど、ベクトルがよくわかんないアルバムジャケットからしても不調だったんでしょうなぁ。
レコードで言うところのそれぞれの面の最後の曲は本人以外のプロデュースで、B 面の Steve Alaiomo プロデュースの Katie Pearl にしても起用の意図がよくわからないのですけれど、もっとわかんないのが、まったく理解できないのが A 面の I Feel Life Crying で、なんと Bobby Caldwell のプロデュース。 作曲にも絡んでいて、本人が歌っても差し支えないくらいの AOR っぷりで、前述の AOR テイストは主にこれが発するものなのでしょうけれども、実際問題 Little Beaver が 本名の Willie Hale として再出発を図る意気込みというか勢いみたいなのをここに感じ取らなければならないのかもしれません。
アルバム全体の雰囲気を損なうことはありません。 けれどもこれでよかったのか、疑問は残るんですよね。