Say No More… (Linda Lewis)

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Linda Lewis というと 2nd の Lark (1972) がまずは挙げられ、そこから時代は流れていってしまう。 少なくとも Arista 時代の最終作である 5th の Woman Overhead まではどれもいいし、ここまでの、つまり Reprise ~ Arista のすべてを網羅した 5in3 的なのがあればいいのにと思ってしまうくらいなんですけれども、その中でも私は最初のアルバム、1971 年リリースの本作が(アルバムジャケットも含めて、いやアルバムジャケットからして)好き。

詳しい経歴を知らないでいるのでアレですが、そもそもがシンガーソングライターであり、声域が広いとかだけどそもそもの歌声がかわいい(可憐)という、いそうでいないタイプの歌い手さんでありまして、その割には他人の曲も全然録音しちゃう主体性の無さが後世音源を聴く身としては興味深いところではあります。 そういったところで最初のアルバムを聴いてみると、もうこのデビューの時点で Linda Lewis というアーティストさんは完成されていたことがわかります。 Lark 以降で一気に開花する空気は掴めるんではありますけれども、かえって蕾の時点でも全然 Linda Lewis だっていうのが、20 歳だか 21 歳だかでもう仕上がっちゃってるのがすごいし、本作の時点でオリジナル曲がほぼすべてを占めるのも怖いくらい。

ルーツを辿るとジャマイカに行き着くだけに後年レゲエの曲をリリースしちゃったりなんかするんですが、それでもこのイギリス生まれの才女としては、アコースティックでありつつソウルフルであり、声が可愛い(ここが可笑しい)っていう基本スタイルがどこまでも尊いです。 後年、2000年ごろに奇跡の復活を遂げたとのことですが(未聴)、惜しまれつつも 2023 年に亡くなられたんですよね。

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