73年にアトランティックからデビューした南部的な味を持つ女性R&Bシンガーの、人気の高いプレリュード発の77年作と78年作をまとめたもの。ともにディスコ・ミュージック全盛期ゆえ、きらびやかかつ流麗な意匠を採用し、そこで包容力を持つ喉が映えている。
と、1st (1977) と 2nd (1978) が 2in1 になっているのが現在流通している CD で、配信なんかでどっちかっていう場合だったら断然 1st である本作を聴きなさいっていう話です。 ちなみに Lorraine Johnson は 70年代初頭にゴスペルのアルバムをリリースしているらしいですけど未聴。 ちょっと期待しているんですけど、聴けることはないんじゃないかなぁ。
というゴスペル上がりの彼女は Atlantic からシングルをも出しているそうで、それを機に Muscle Shoals 界隈でバックコーラスの仕事をするようになったのだそうな(ノンクレジットであることが多かったのか、記録されているものが極端に少ない)。 そして Prelude から幾枚かのシングルと 2 枚のアルバムをリリースすることになり、それが今回の 2in1 であります。 先に 2nd の方から言いますと、まずジャケットがふざけている。 それ Lorraine Johnson 関係ないじゃんっていう金髪の白人女性がフィーバーしているジャケットなんですよね。 イージーリスニングじゃないんですからジャケット詐欺はやめてくれっていう話でもありますし、こういう扱いが彼女をしてゴスペルに回帰させるのでしょう。
ただ、1st に関してはまだまだ Lorraine Johnson というダイナマイトなボーカリストを売り出そうという雰囲気に満ち溢れていまして、内容もかなりいいんですよね。 If You Leave Me Now のカバーという飛び道具はさておき、ソウルを中心としてディスコのおいしいところをしっかりがっちりつかんでおります。