CD 化されてから聴いた、というかアナログレコードを持っていたわけでもなく見たわけでもないので、オリジナルがユピテルレコードからのリリースだということを今回初めて知りました。
Noriko Miyamoto with Isao Suzuki というとわかりづらいかも知れないです。 鈴木勲が宮本典子の 1st を全面プロデュース、クレジットされちゃうくらいにプロデュースしている、基本英語詞のクロスオーバージャズのアルバムで、正直いえばこの 1 枚だけ聴いておけばいいんじゃないかっていうくらいの重要作。 決して悪口ではないんですが、この後どんどん世俗化していくような印象が私にはあって、今であればシティポップの領域にさえ入るのかも知れませんけれども、私にとってシティポップあるいはこれに類似する音楽は 2023 年 7 月 9 日に区切りがついているので、決して聴きはしないというわけではありませんが、なんならもっと違う音楽が聴きたいのであり、そうなると宮本典子であればこの 1st に尽きる、というところです。
インスト曲が収録されているのをみてもわかるとおり、決して宮本典子だけがメインというわけでもありません。 これが功を奏して演奏の充実ぶりがより際立ちます。 キレッキレの演奏なんですよ実際。
BBE Music人気シリーズ「J Jazz Masterclass」最新作に今や亡き日本のジャズ界のレジェンド、鈴木勲が手がけた女性シンガー、宮本典子の1978年に発表した、ソウル/ジャズ名作デビュー作『Push』をリイシュー!
同年に笠井紀美子、阿川泰子を筆頭する女性ジャズ・シンガーのブームが起き、ポップス市場にもクロスオーヴァーしている最中に、幻のユピテル・レコードから発売された本作。
ソウルとディスコを愛する宮本典子は、R&Bが日本で主流になるずっと前に、東京の伝説的なディスコ「MUGEN」でダンサーとして働いていた際に同会場でライヴを行ったティナ・ターナーのパフォーマンスに感化され、ソウル・シンガーを目指す事を決意、1977年に日本のジャズ界のレジェンド、鈴木勲にスカウトされ、彼のバンド「ソウル・ファミリー」に参加し、その後に彼らのバックアップの下に、『プッシュ』を制作。本作は、ジャジーでソウルフルな彼女のボーカルと、当時若くて、勢いのある鈴木のアコースティック・ベースとバック・バンドによる演奏が絶妙に組み合わされた傑作。
渡辺貞夫、日野皓正、菊池雅章、ジョージ大塚らと共にベーシスト、チェリスト、マルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家、編曲家、プロデューサー、バンドリーダーとして日本のジャズの歴史に最も影響を与えた一人であり「オウマさん」と呼ばれ、親しまれた鈴木勲は、若い才能を育てたことで知られています。キーボード奏者の笹路正徳(後に清水靖晃のバックで活躍)、ギタリストの秋山和慶(日本のジャズ界の大御所と数多く共演)など、後に有名になるミュージシャンたちが本作に参加。「オーソドックスなジャズと、当時流行っていたクロスオーヴァーやフュージョンをミックスした新しいサウンドが本作で見事に結実したの」と宮本典子は称した。
本作で鈴木は、当時の日本の音楽界では珍しく、英語で歌を歌うという宮本典子のユニークな才能に注目、ジャズ・スタンダード「Everything I Have Is Yours」と「Stella By Starlight」の2曲を彼女に英語で歌わせた。
また、鈴木作のインストゥルメンタル「キャデラック・ウーマン」と、笠井紀美子のために作曲した「マイ・ライフ」(『東京スペシャル』で日本語で歌っている)の英語詞を彼女が訳し、英語で歌った人気曲も収録!