Formerly Of The Harlettes (Sharon Redd, Ula Hedwig, Charlotte Crossley)

先に申し上げますとこのアルバムは CD 化もされていないし配信にも上がっていない(これを書いている 2024 年 6 月 26 日現在)。 YouTube で何曲か聴けるだけという有様で、なんとか誰でも聴けるようになってほしいと願うばかりの佳盤です。

・・・Bette Midlerという女優のバッキングコーラスをやっていた Harlettes という女性コーラスグループ。 Bette Midler って俳優(今は女優って言っちゃいけないんですよね?)もやったりコメディアンだったり SSW だったりする人って、有名なのかなって調べてみたらなんのことはない、ベッド・ミドラーなんですね。 なんだよおい!って思っちゃった。 じゃぁ The Rose のサントラにも参加してんの Harlettes は?って調べてみたらクレジットはないし、なんだかなぁっていうところ。 そもそも入れ替わり立ち替わりが激しかったみたいですね Harlettes って。

んで Sharon Redd、Ula Hedwig そして Charlotte Crossley という布陣でレコーディングされたのが本作であります。 オリジナルは 1978 年、Columbia からのリリース。 前後関係はわかりませんけど同年に Ain't No Man Worth It / Put It Where You Want It そして Can't Dance (Dance, Dance, Dance) / Does Your Mama Know About Me という 2 枚のシングルがリリースされており、その全てが本作にも収録されております。 というかアルバムからのシングルカットらしいんですが、再評価されるのはアルバムのラストを飾るラテンソウルの Now (Sweet Lover Man) だっていうから世の中わかりません。

ディスコ風味もありつつも、基本的にはたいへんに洗練されたソウルのアルバムで、プロデュースは David Rubinson。 その人脈をフルに活用し、参加ミュージシャンがやたらと豪華なのも特徴の一つで、インタープレイでドラムンベース状態に入り込み大変な状況にありつつもコーラスがかっこ良すぎる Maiden Voyage では、作曲者本人がなんと Rhodes で参加(しかも弾きまくり)とか、ちょいと他に類をみない充実っぷりなんです。

あとは Phoebe Snow の Cash In をカバーしたり、同時期に Chaka Khan も歌った Roll Me Through The Rushes が収録されたりしてんんですが、総じて言えるのはコーラスアルバムだということ。 誰かが無闇に前に出て歌うのではなく、ハーモニー美しく、調和を保ったアルバムなんです。 なんとかアルバム全体を誰でも聴けるようにしてほしいなぁ。

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