デトロイトのソウルバンド Floaters は 3 枚のアルバムを 1977 年より 1 年毎にリリースし、1981 年に Shu-Ga という謎女性との共同名義のアルバムを出して(The Floaters & Shu-Ga ということだが、Floaters は裏方に徹しているように聴ける)いなくなってしまった。 その都合 4 枚のアルバムは明らかな捨て曲が散見されるものの概ね佳作と言えるので、どれか 1 枚かを選ぶのは難しいところ。 レーベルを移籍してのバンド名義としては最終作である本作は、ベテラン感がそこかしこに滲み出しており、前 2 作とはちょっと味わいが違うものの、メロウなソウルとしても他に抜きん出た良さがあります。
ちなみに最初の 2 枚は、特に 1 枚めでいきなりヒットしたという Float On のロングバージョン、その構成がいたくお気に入りになったのか 2 枚目の最初の曲でもおなじことをやっておりまして、んでこれが実際にかなり良さげなもんだから面白い。 そして 3 枚目ですっかり忘れたかのようになってるのも興味深いところ。 ちなみにその 1 枚目は、3 枚目での移籍先である MCA から CD 化されているのですけれど、なんかの問題があるのか Float On というヒット曲名をしてアルバム名にしており、曲順も微妙に変えていて、正直言えばなんでそんなことすんのよ?っていうことなんではありますが、大人の事情なのかしら。 だったら 2 枚目もなんとかして、そういう手法でもいいから CD 化してくれればいいのに、と思ってしまいます。
なにしろメロウなソウルの Floaters、とても好き。
そうそう書き忘れていた。 3 枚目の最後の曲はデュエットなんですが、Afreeka Trees という人が相方でして、これがまたいいんですよオトナな感じで。
「FLOAT ON」のヒットで知られるフローターズ(FLOATERS) 79年のサード・アルバムが世界初CD化! 「FLOAT ON」とは一味違うが質は負けず劣らずのメロウ・フローターをたっぷり収録した名盤です! デトロイト出身のグループ、フローターズがデビューしたのは77年。デビュー作でいきなり「FLOAT ON」の大ヒットを生み出し、一躍ソウル・ファン、グループ・ファンの知られる存在となったのは多くのリスナーの知られるところ。その後計4枚のアルバムをリリースしているが、唯一CDとしてリイシューされていたデビュー作に続きようやく今回初CD化される79年リリースの3枚目『FLOAT INTO THE FUTURE』。プロデュースはフリーソウル・シーンでも高名なユージン・マクダニエルズが担当、時代に沿ったディスコ・ナンバーも納められているが、やはりウリとなるのは名曲「FLOAT ON」に負けず劣らずのメロウ・テイストを持ちながら、更に都会的なセンスを施したメロウ・ミディアム郡になるでしょう。ともすればアルバム単位ではこちらの方が評価が高い名盤がようやくの初CD化です! まずは3曲目の「Woman Love / You Are My Lady」がオススメ。ファルセット・リードの爽やかミディアムはこのグループのポテンシャルの高さを物語るには打ってつけのナンバーだが、それ以上にアルバムの後半、LPではB面に当たる5曲目以降の素晴らしさは、言葉ではなかなか言い表せないほどのグループ・ミディアムの醍醐味がたっぷりと詰っています。アコースティック・ギターの使用がアイズレーを思い起こさせる「Sweet Lady September」は最高潮の洗練度を誇り、グループ・ファン必須の名曲といっても過言ではないアルバムのハイライト・トラック「Nice To Have You Back」は悶絶クラスの美しいコーラス・ワークで迫ります。そしてやるせないスウィートなテイストがクロージングにふさわしい「The Best Of Our Love」でしっとりと閉まる…。頭の中に余韻がいつまでも残りそうなこれらのメロウ・フローターに喜ばないソウル・ファンはいないでしょう。祝、世界初CD化です!