リオ・デ・ジャネイロでのライブを収録した 1978 年 Philips からのリリース。 Maria Bethânia という人のリリースは段違いにライブ盤が多く、初期はそうでもないのですけれども時が経つにつれてだんだん喋りが多くなり、ライブ会場で生で体験しているならいざ知らず、ポルトガル語がわからない私のような日和者がデータで聴いている分には苦行に他ならず(ちょっと大げさ)、自然スタジオ盤がいいよなぁっていうことになり、となると個人的には Maria Bethânia (1969) もしくは Drama (1972) あたりかなぁというところ。 超初期の Odeon 時代であれば 1st も 2nd もいい感じ。
Caetano Veloso の妹ということもあり、キャリアを経るにしたがい制作において兄の関与が激しくなるのは別段不思議な話ではないところながら、Caetano Veloso という人は聴けば聴くほどクセの強いキャラクターだということが判明するにつれ、この兄妹のプロダクションというものはなかなか味わい深いものではあります。
タイトルどおりライブ盤であり、兄妹デュオという体裁での本作は、内容の前にこれだけは言わせてもらいたい。
アルバムジャケット最高!
なにしろこの頃の MPB を引っ掻き回しているんじゃないかと私は強く感ずるギタリストの Perinho Albuquerque がプロデュースを担っておりまして、この界隈で「へんなギターだな」って感じ取りクレジットを確認すれば、だいたいがこの人。 もしかしたら鬼才なんじゃないかって思うところですが、このライブ盤でも、というかこの人はライブでも鬼才っぷりを大爆発させるんですね。
恐れ入ったとしか言いようがない。