その活動期の最後に突如モダンになって、それまでだって全然マストなアルバムを連発していたのに「なかったこと」にされそうな勢いだったボーカルグループ LaBelle は、そのアルバム Chameleon (1976) を以て自己崩壊してしまうのですが、首謀者ともいえる Patti LaBelle はその翌年からソロアルバムをリリースし始めています。 そもそもグループの崩壊の重要な一因が音楽の方向性だったわけで、ディスコかファンクかソウルかのベクトルに Patti LaBelle はソウルを、もっとディープなソウルを求めていたとのことですから、ソロ開始直後はその線で突っ走ったのですけれども、1979 年リリースの 3 枚目のソロアルバムである本作では、随分とバリエーションが拡大され、おそらくは最高傑作になってるんじゃないかと私は思っています。 だのでこればっかり聴いています。 この懐の深さはプロデューサーが Skip Scarborough であることにも起因しているんじゃんなかろうか。
基本的に歌い上げちゃうタイプの歌い手さんなので、なにか作業しているときの BGM としては適していないんじゃないかと思うのですが、アルバムのタイトルトラックと最後の曲 Music Is My Way Of Life はあからさまなダンスナンバーで、ガラージクラシックでもあります。 The Waters もバックコーラスとして参加して爪痕を残していますし、ボーカルグループ LaBelle としての忘れ物をこのアルバムで取りに戻ったのかもしれないですなぁ。